令和3年4月 県政リポート

ご挨拶

 自然は変わりなく四季を巡らせていますが、人間社会では大変な日常生活を強いられている中で、常識的なことが通用しない世の中になりました。
 全世界で新型コロナウイルス感染の拡大により苦しい闘病生活を送る中で多くの人が亡くなるなど、医療現場に携わる方々は自身の命を賭して治療にあたり、ご苫労も大変なものがあります。
 国交、経済、医療、生活、教育は勿論のこと、長い歴史の中で営々と育まれて来た文化や地域コミニティまでもが影響を受ける状況となり、特に一月に入り急激に感染が拡大し緊急事態宣言となりました。
 一刻も早くワクチン接種が順調に進み、効果が表れ平穏な日常生活が送れることを祈るのみです。
 千葉県議会としても、この国難ともいうべき事態に県側と密接に連携を取りながら対処してまいります。
 私達一人一人の行動が、この困難を乗り切る力となります。どうぞ、皆様も呉々もこ自愛くださいませ。
この度、県議会リポートを発行させて頂きました。ご一読頂ければ幸いです。

浜田ほづみ

新型コロナウイルス感染症に関わる経済対策について

 この度、改正特別措置法及び改正感染症法が成立し行政罰で過料を科すことが出来るようになりましたが、県では特に感染拡大の主な要因となっている飲食を伴なう歓談の制限を目的として飲食店等の営業時間の短縮や不要不急の外出自粛、テレワークの推進等の取り組みも行われています。
 この取り組みを広く周知するために、市町村は勿論、警察・消防とも連携し繁華街の見回りや鉄道事業者・学校等へのチラシを配布して幅広く周知活動を行っています。
 新型コロナウイルスの影響が長期化する中で中小企業は多大な影職をうけており、県ではこれまでに、中小企業再建支援金について売り上げ減少比較期間の延長と対象拡大を行い、一件当たり最大40万円を支給し、9万8千件の申請に対し231億円を支給してきました。
 また、中小企業の資金繰りを支援する無利子・無担保の県制度融資は昨年末時点で約3万件、5千4百億円の利用があり、申し込み期限を本年3月まで延長して無利子融資枠を4千万円から6千万円に拡大致しました。今後とも地域経済の要であり雇用の場でもある中小企業を支援していきます。

感染拡大防止対策協力金について

 昨年12月23日から1月11日までの飲食店等の営業時間短縮要請をした千葉市と東葛地域については約9千件の申請があり、このうち2月24日現在で、7千5百件、60億円を支払い、約80パーセントが処理済となり、近日中に終了する予定となりました。
 1月8日から2月7日までの分については2月10日から受付を開始しましたが、更にまた緊急事態宣言の延長により3月21日までが対象となりました。

新型コロナウイルス感染症のホテル・自宅での療養のケアを行うための取り組み

 ホテル、自宅で療養する方々には看護師や保健師が電話により毎日の健康状態の確認をしていますが、感染拡大の状況を諮まえスマートフォンアプリを活用した健康観察をしています。
 また、高齢者や基礎疾患のある方など重症化リスクの高い方には、肺機能の状態を迅速に確認できるよう保健所の判断でパルスオキシメーターの貨し出しを行っています。貸し出しにあたっては市町村の協力の下、患者自宅への配達をしています。現在、1千台を活用していますが、更に2千台を発注し合計3千台用意致します。このパルスオキシメーターの活用により自宅療養者自らの測定で血中酸素飽和度が低下した場合は保健所へ連絡し入院が確保できるよう調整を行います。

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種体制について

 県では、千葉県新型コロナウイルス感染症本部内に「ワクチン接種体制整備班」を設置しました。まずは、医療従事者への優先接種を実施するため、医療関係団体や市町村と連携した上で接種施設を選定し、スムーズに開始できるよう準備を進めています。
 また、市町村が実施する県民へのワクチン接種においても助言・調整等も行うとともに県民や医療機関等に対応する専門的相談体制を構築し、県民が円滑にワクチン接種が受けられるよう準備しています。
 いよいよ、新型コロナウイルス感染阻止の切り札とされるワクチン(ベルギーにあるアメリカ製薬大手ファイザー工場からの第一便)が2月12日に成田空港に到着し、接種が始まりました。国際的な臨床試験結果では発症率を95パーセント減らす効果が確認されています。初めは、安全性調査に参加する医療関係者に対して先行接種が行われますが、原則12週間の間隔を空けて二回接種することが必要です。全国で4万人が対象となっており、その内の半数から体調の変化等を観察しています。

3月には先行接種以外の医療従事者に接種されますが、本県の医療従事等対象者は20万人を超えます。四月以降からは重症化リスクのある65歳以上の高齢者に行われ、一般の方には夏頃になると思われます。

電話de詐欺について

令和二年中の発生状況は、京葉・東葛地区で被害が多発しているほか、九十九里地域でも被害が増加し被害が広域化しています。
 主な手口としては親族名を名乗る「オレオレ詐欺」、警察官や銀行名を名乗りキャッシュカードを馴し取ったり、すり替えて奪い取る「預貯金詐欺」「キャッシュカード詐欺」が八割以上を占めており、最近は「還付金詐欺」も増加しています。昨年は1,217件、被害総額は27憶4千4百万円でした。
 それぞれ減少したものの一件あたりの被害額は増加しており、深刻な状況となっています。
 令和二年中に、電話de詐欺では308件、150人を検挙しました。また、銀行口座や携帯電話等を不正に入手し犯罪に使用する助長犯罪被疑者を191件、158人検挙しています。千葉県警察は、更に市町村を初めとする協力団体と連携し、防止活動を強力に迎めていくとしております。

成田空港の機能を強化するための国家戦略特区について

成田空港の第三滑走路を新設するなど「成田空港の更なる機能強化」と合わせた活力ある地域づくりを行うため、成田空港を旅客のみならず、航空貨物の東アジアの拠点とすることで、日本の国際競争力の強化につなげ、国家戦略特区に位置づけられるよう国に提案致しました。
空港同辺地域の以前からの振興策の限界を打破し、民間活力が参入しやすい地域づくりを迎めるため、土地利用の規制緩和による物流施設等の誘致促進を図ります。
このような特区の指定による規制緩和を生かし、空港と地域が共生発展していくことを目指します。
県内経済の活性化に資する道路ネットワークの整備を強力に推進します。


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