令和4年9月 県議会リポート

柏市選出で、県議会議長経験者として県政をリードする浜田穂積議員は、9月県議会・一般質問に登壇。柏市を中心とした東葛地方が抱える医療、農業、道路問題など多方面にわたって質問し、当局の姿勢をただしました。その概要を報告します。
             【自由民主党千葉県議会議員会発行 浜田ほづみ県議会リポートより】

安心できる医療体制へ

医療問題

千葉県の病床配分

浜田 千葉県では、令和4年に保健医療計画の見直しにより、千葉保健医療圏、東葛南部同、東葛北部同で更なる確保が生じて公募したが、今後、病床配分をどう進めていくのか。
保健医療担当部長 千葉は配分予定182床に対し9者498床、東葛南部は1,251床に対し10者980床、東葛北部は1,043床に対し10者948床の応募がありました。
現在、応募者へのヒアリングを実施しており、調整会議での議論を踏まえ、来年1月を目途に配分を決定していく予定です。 なお、病床の配分にあたっては、地域の実情に即したものとなるよう適切に進めてまいります。

東葛南部・北部の状況

浜田 今回募集した医療圏のうち、東葛南部・北部で応募数が募集数を下回った。そこで伺うが、医療機関は病床を増やす態勢が整えられない状況ではないか。また、募集数を応募数が下回る現象について県はどう受け止めているのか。
保健医療担当部長 東葛南部及び北部で、応募数が募集数を下回った要因は、前回に比べ募集数が多かったことが考えられます。これは、今後、医療需要が大幅に増加することが見込まれたことや、病床整備に時間を要することを見越し、3年後の令和7年に必要な病床数に基づき基準病床数を定めたため、募集数が増加したものです。
医療機関によっては、用地、医師・看護師など医療従事者の確保が容易でないことが要因となった可能性もあります。

医療体制の整備

浜田 救急搬送が増加する中で、県民が安心できる医療体制を整えるため、県はどうしていくのか。
保健医療担当部長 人口減少・少子高齢化が進む中、県内どの地域においても県民が安心して必要な医療サービスを受けられる体制を構築していくことは喫緊の課題であると考えます。 そのため不足する病床については、来年度以降、再度の公募を検討し、速やかに整備が進むよう取り組んでまいります。 また、今後増大する医療需要に対し、医療機関間の連携を一層促進していくとともに、医療従事者の確保や偏在対策も引き続き推進してまいります。

医師・看護師の不足

浜田 医師不足、看護師不足対策について、更なる手厚い対策が必要だと思うが、どうか。
保健医療担当部長 医師不足対策については、医療機関へのアンケート調査により課題の把握に努めるとともに個別の相談にも対応し、医師の勤務環境の改善と医療の質の向上が達成されるよう努めてまいります。 また、離職した看護師に対しては、職業紹介や就業相談を実施するほか、最近の知識や技術を習得できる講習会を開催するなど再就職支援を行っています。

減る農家「担い手育成」全力で

水田農業の担い手

浜田 日本の稲作は、昭和40年代までは採算の取れる米価だったが、その後、下落が続き、食管法の廃止、様々な減反政策などに翻弄されながら、コメ農家はめげずに励んできたが今、米飯離れから、主食用米の需要が、1年間に10万㌧も減少しているという。 農業県と言われる千葉県の農家総数は、1996年に10万1千戸余りだったが、2020年には、5万戸余りに半減した。更には高齢化が進んで農家戸数が減少し、作付面積が減少して耕作放棄地が大幅に増えるのは明らかである。

耕作規模の拡大と担い手

そこで伺う。
千葉県の稲作を維持して行くには、耕作規模拡大ができる担い手を大幅に組織する必要があると思うが、どうか。
知事 水稲農家が減少する中、耕作者が不在となった水田を耕作放棄地にしないためには、離農者の水田を引き受け、耕作規模を拡大できる担い手を育成することが必要です。 そのため県では、耕作規模の拡大に取り組む担い手が必要とする農業機械の導入を支援しています。また、大規模な経営体を目指す担い手の法人化や、地域で新たな担い手の構築を目指す集落営農組織の設立に対する支援などを行っており、将来にわたって地域の水田農業が維持できるよう、担い手の育成に取り組んでいるところです。

現在の受託者への支援

浜田 現在、稲作を行っている受託者に対しても新たな支援策を拡充する必要があると思うがどうか。
農林水産部長 現在、水稲栽培を大規模に受託している農家は、優良な農地を維持し、耕作放棄地の発生を防止する上で、欠くことのできない存在であると認識しております。 県では、農業機械の更新などに際して、制度資金への利子補給を行うほか、効率的な農作業のための畦畔除去による水田の整備や、農地集約に向けた地域での話し合い等の取組に対して、支援を行っています。 受託農家をはじめとする地域の声を聞きながら、受託農家が将来にわたって安心して耕作を継続していくためにどのような支援が可能か、検討してまいります。

要望

浜田

是非、現地を見て、
生の声を聞くよう要望する。

更なる企業誘致を

企業誘致の支援制度

浜田 県内への企業誘致についての支援制度である立地企業補助金について、これまでの改正内容と、今後の見直しの検討状況はどうか。
知事 企業の立地は、雇用や税収の確保など、地域経済の活性化に大きな効果をもたらすことから、県では、立地企業補助金を活用し、地域の特性を活かした戦略的な企業誘致を推進しています。 補助金については、これまでの企業動向や経済情勢に合わせて制度改正を行ってきており、具体的には、人口減少地域等において、対象業種を製造業以外にも拡大することや、県内企業の拠点化のため、再投資に係る支援の創設などを行いました。今後も、立地が更に促進されるよう、見直しに取り組んでまいります。

具体化へ高まる期待 工事進む都市軸道路

道路問題

千葉北西連絡道路

 浜田 千葉北西連絡道路について、国道16号の建設を初期から見てきた者として取り上げたい。 地権者の理解と協力の下に国道16号は、千葉県発展に大きく寄与してきたが、柏市付近の調査でも交通容量を大幅に超え、大型車の混入率も国道平均を大きく上回って、交通渋滞には著しいものがある。
このことから、令和2年、関係自治体による「千葉北西連絡道路検討会」を立ち上げ、先般、基本方針の骨子案が検討された。その中で、東は千葉市、西は大宮の核都市をつなぐ広域幹線道路の機能を持たせることが打ち出されるなど、将来構想と計画の具体化へ向けた熟度が高まった感がある。

計画具体化への取組

 そこで伺うが、千葉北西連絡道路について、計画の具体化に向け、どのように取り組んで行くのか。
県土整備部長 千葉北西連絡道路は、環状道路である国道16 号の交通円滑化や災害対応などに寄与する重要な道路です。
 本年8月には、検討会が開催され、期待される効果として、輸送効率の向上などが確認されたほか、道路計画の基本方針の骨子がまとめられたところです。 県としては、早期に基本方針が策定されるよう国に協力するとともに、計画の早期具体化に向けて、国、沿線市と連携し、計画の概要や必要性等について広報活動を実施するなど、積極的に取り組んでまいります。

都市軸道路の建設推進

浜田 埼玉県三郷市の東京外郭環状道路から、千葉県流山市、柏市西部と茨城県守谷市、つくば未来市を通り、つくば市をつなぐ全長30 ㎞に及ぶ都市軸道路は、つくばエクスプレス沿線の骨格軸を形成し、広域的な地域間の文化交流や一層の経済発展に資する広域幹線道路である。 江戸川では、仮称三郷流山橋が令和5年度当初に開通する見込みで、柏の葉に隣接した国道16号に交差するアンダーパスの工事も進められている。
 更に守谷市と柏市を結ぶ利根川渡河部の橋整備を早めるため、関係5市で「都市軸道路整備促進期成同盟会」を発足させ、両県に対し陳情活動を重ねている。 また、渡河部の整備について茨城県と協議を始めたと聞いている。

利根川渡河橋の現況

そこで伺うが、都市軸道路の利根川渡河橋について、検討状況はどうか。
県土整備部長 都市軸道路は、埼玉県と茨城県を結ぶ広域的な幹線道路であり、つくばエクスプレス沿線において新たに発生する交通需要に対応する重要な道路です。 このうち、利根川渡河橋については、茨城県と整備に向けて意見交換を行っており、今年度、橋梁予備設計を実施してまいります。 引き続き、早期に事業化が図られるよう、茨城県と連携し、積極的に取り組んでまいります。

区画整理地内の進捗

浜田 柏市では、国道16号と交差するアンダーパスの整備が進められている。そこで伺うが、柏北部中央地区土地区画整理事業地内の都市軸道路について、進捗状況と今後の見通しはどうか。
県土整備部長 事業地内の延長約2・9㎞のうち、国道16号から南側の区間については、全線約2・2㎞で、一部暫定を含め供用開始しているところです。 また、最も工期を要する国道16号直下のアンダーパス部については、今年度内の完成に向け、当初の計画どおりに進捗しています。 今後は、残る北側の約0・7㎞について、地権者のご協力をいただきながら、令和8年度の完成を目途に一層の事業推進を図ってまいります。

開通待たれる柏市都市計画道路

柏市都市計画道路 箕輪・青葉台線

浜田 柏市都市計画道路箕輪・青葉台線は、平成17年に柏市と沼南町が合併した際に、建設計画の中に盛り込まれ、柏市南部地域と旧昭南町大津ヶ丘地域を一体化させるための幹線道路である。柏市の南部地域は、狭隘で曲折する道路網の地域で、緊急自動車の運行にも困難を来している。 更に、旧沼南センター地区では46㌶余りの区画整理が完工し、通勤や買物客で交通渋滞が増えている。

箕輪・青葉台線の進捗

一日も早い開通が望まれる柏市都市計画道路箕輪・青葉台線の進捗状況はどうか。
県土整備部長 この道路は、柏市南部地域を東西に横断する重要な幹線道路であり、柏市大津ケ丘から増尾までの0・8㎞区間で事業を実施しています。 現在、用地取得率は約5割であり、今年度は、まとまった用地の確保ができた箇所で、農業用の用排水路をつけかえる工事を進め、大津川を跨ぐ橋梁の詳細設計などを実施する予定です。

公立中学校の運動部活動 期待される社会人活用

公立中学校部活動への社会人活用

浜田 公立中学校の運動部活動の社会人活用について、現状と今後の見通しや取組はどうか。
教育長 教員の働き方改革として期待されている休日の部活動の地域移行を推進するためには、教員に代わる指導者として社会人活用を進める必要があり、千葉県スポーツ協会等と連携し人材バンク作りに着手しています。 さらに今後は、外部指導者の方と学校をつなぐコーディネーターの配置や、指導者の質をける社会人活用が円滑に進むよう努めてまいります。

要望

浜田

部活動の地域移行が円滑に進み、
千葉県の中学生が思う存分部活動に
取り組める体制構築を要望する。

備蓄食品の保管管理を万全に

災害備蓄物資の保管状況

浜田 令和元年の台風15号等による大災害を教訓に、千葉県地域防災計画もきめ細かく見直したと承知している。
特に備蓄品の管理徹底が肝要で、中でも気にかかるのが食料品だ。
そこで伺うが、千葉県は、備蓄食品をどのように保管しているのか。また、市町村には、どのような指導をしているのか。
防災危機管理部長 県が災害用に備蓄している食料は、県内11カ所の備蓄倉庫と2カ所の民間倉庫に保管しており、常温で長期間保存できるクラッカーとアルファ化米を備蓄しています。 県の備蓄倉庫については、温度を感知して自動で作動する換気扇の設置や、毎月の保管状況の確認などにより、適切な管理に努めており、民間倉庫でも、安全かつ品質に影響を及ぼさない状態での保管を求めているところです。一方、市町村に対しては、避難所での食料の管理について、高温、多湿を避け、施錠できる場所での保管を示しているところですが、備蓄倉庫における保管方法についても、適切な管理を促してまいります。

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