令和6年3月 県議会リポート
ご挨拶
待ちに待った春が巡って来ました。皆様にはご健勝にてお過ごしのことと拝察申し上げます。
平素は温かいご指導とご支援を賜り、感謝申し上げます。
さて、今回の令和6年能登半島地震により犠牲になられた方々に対し哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。千葉県では発災後、直ちに県警の広域緊急援助隊が現地に出動して人命救助にあたったほか、保健師やDMAT・DWAT等を派遣し医療や福祉分野での救援活動を行いました。また、県と市町村の派遣職員が避難所の運営支援や住宅被害の認定調査等にあたったほか、給水車や水道施設の復旧隊の派遣、被災された方々への県営住宅の無償提供を実施しています。今後も復旧に向けて引き続き支援を継続していきます。また今後、本県も半島という共通する地理的特性を踏まえて、孤立化が想定される地域について必要な対策を講じるなど本県の防災対策を更に強化することとしています。
今回は、新年度の予算が決まりましたので、その一部についてお知らせいたします。
浜田ほづみ
目次
- 1 千葉県令和6年度予算決まる
- 2 一般会計 2兆1,077億円 に決定
- 3 千葉県地域防災力の充実・強化補助金・・2億5,000万円
- 4 「電話de詐欺」被害防止広報・啓発等事業・・1億6,800万円
- 5 自転車乗車用ヘルメット購入補助事業・・3,900万円
- 6 交通安全施設整備事業・・113億8,800万円
- 7 新たな産業・地域づくりに関する検討事業・・5,000万円
- 8 成田空港を活かした持続可能な地域づくり検討事業・・7,500万円
- 9 立地企業補助金・・6億3,700万円
- 10 中小企業デジタル技術活用支援事業・・1億2,300万円
- 11 チャレンジ企業支援センター事業・・4億4,900万円
- 12 小規模事業経営支援事業費等補助金・・28億2,400万円
- 13 障害者就労促進事業・・1億4,900万円
- 14 稼げる農業の推進・・・6億800万円
- 15 次世代へつなぐ梨産地育成事業・・910万円
- 16 飼料用米等拡大支援事業・・4億9,000万円
- 17 道路ネットワーク事業・・725億3,300万円
- 18 地域における在宅医療等推進体制強化事業「新規」・・1億7,000万円
- 19 新興感染症対応体制確保・強化事業・・8億4,000万円
- 20 県議会リポート
千葉県令和6年度予算決まる
一般会計 2兆1,077億円 に決定
本年は総合計画における最終年度であることから目標の実現に向け取り組んできた施策を着実に進めるとともに、これまでの成果を踏まえ更なる充実を図り、将来の千葉県発展につなげていく予算としています。
具体的には、将来を見据えた産業・地域づくりの促進や道路ネットワークの整備、農林水産業の生産性向上や販売力強化などにより県内経済の活性化を図ります。また子供の学力向上や教育機会の確保、教員の多忙化対策や人材確保、保育の質の充実などの教育・子育て施策の推進を図ります。
そして多様性尊重条例の基本理念について理解促進を図るための施策を推進し、多様性が尊重される社会づくりを目指します。
さらに防災・減災対策の強化、医療・福祉の充実、観光・文化・スポーツの振興、脱炭素化やDXの推進等、各分野にわたり総合計画に掲げた施策を確実に実施していきます。
千葉県地域防災力の充実・強化補助金・・2億5,000万円
自助・共助の取り組み災害対応のデジタル化を一層推進し、県全体の地域防災力の向上を図るため、市町村が実施する事業です。災害対応に係るデジタル技術の導入、消防団や自主防災組織の活動支援、避難所への非常用発電機の導入等について令和5年度から令和7年度までの3年間、集中的に支援します。
「電話de詐欺」被害防止広報・啓発等事業・・1億6,800万円
依然として後を絶たない電話de詐欺の防止対策として、「電話de詐欺・悪質被害防止コールセンター」の運営をはじめとした広報・啓発や、市町村が行う対策機器の貸与・購入補助への助成を実施します。電話オペレーターが個別に防犯指導をおこなったり、市町村電話de詐欺対策機器購入補助・貸与事業に対する助成額の引き上げで機器の普及の促進や高齢者安全対策アドバイザーの配置等を実施します。
自転車乗車用ヘルメット購入補助事業・・3,900万円
県内の自転車乗用中の死者の7割が頭部損傷による交通事故によるものです。被害を軽減するためにもヘルメットの着用が重要ですが、県内の着用率は全国でも低い状況にあります。市町村と協調して購入者に対する補助を実施します。
交通安全施設整備事業・・113億8,800万円
交通事故を防止するため歩道の整備、交差点改良、信号機、道路標識の設置、横断歩道の補修をし、令和6年度は信号機のLED化に重点的に取り組みます。
新たな産業・地域づくりに関する検討事業・・5,000万円
将来を見据えた産業の誘致・創出を図り、新たな民間投資を呼び込む環境づくりに向けて、成田空港周辺、
かずさアカデミアパーク、幕張新都心、柏の葉、北千葉道路沿線、アクアライン着岸地周辺等、本県経済を牽引していくことが期待される地域について誘致・創出すべき産業分野を調査し、新たな産業地域づくりを推進します。
成田空港を活かした持続可能な地域づくり検討事業・・7,500万円
成田空港を最大限活かした周辺地域の活性化に向け新たな産業拠点創出の可能性、魅力的な住環境の整備等を検討し成田空港周辺地域の振興に資する持続可能な地域づくりを推進します。
立地企業補助金・・6億3,700万円
県内への企業立地を促進し、地域経済の活性化と雇用の確保を図るため、県内に立地した企業や、新たな産業用地の確保に取り組む市町村へ補助金を交付します。また、限られた産業用地に製造業の工場立地を一層促進するため、新規立地に係る補助金の内、工場立地のメニューの要件を見直し工業団地以外への立地も新たに補助対象とすることにより支援を強化します。
中小企業デジタル技術活用支援事業・・1億2,300万円
IOT・AI等活用による県内中小企業の技術の高度化や生産性を進めるため、人材育成の研修等を行なうとともに、県内中小企業等が連携して行うデジタル技術を活用したプロジェクトに対しても助成します。更に、支援機関やIT関連団体との連携体制を構築し、中小企業等が抱える課題等の把握や解決にむけた伴走支援体制を強化します。
チャレンジ企業支援センター事業・・4億4,900万円
中小企業が抱える様々な課題にワンストップで対応するため千葉県産業振興センターに設置している「チャレンジ企業支援センター」において、窓口相談や専門家派遣等を実施するとともに、原油価格・物価高騰等により経営等に不安を抱える中小企業を支援するため将来を見据えて新規の参入や業態転換等に挑戦する中小企業に対する伴走支援を行います。
小規模事業経営支援事業費等補助金・・28億2,400万円
県内の商工会や商工会議所、商工会連合会及び商工会議所連合会がおこなう小規模事業者等の経営改善業務等の経費を補助します。令和6年度は更に小規模事業者への伴走支援を強化するため商工会・商工会議所会員数に応じた指導員の経験・スキル等の向上に向けた支援の拡充を実施します。
障害者就労促進事業・・1億4,900万円
障害者就労の促進を図るため、障害者と企業を対象に就労意欲の醸成や障害者雇用の理解・促進、企業と障害者のマッチング、就労後の職場定着まで、きめ細やかな支援を行います。令和6年度からの法定雇用率引き上げに伴い雇用義務対象企業の増加が見込まれることから支援内容の充実、及び支援体制の強化を図ります。
稼げる農業の推進・・・6億800万円
千葉県農業を牽引する経営体の育成を図るため、規模拡大を目指す農業者をソフト・ハード面から集中的に支援します。パイプハウス等の施設や作業省力化機械整備及び老朽化したハウス等の改修に対し助成します。「産地パワーアップ計画」に基づき意欲ある農業者等が生産・出荷コスト低減等を図るために行う集出荷施設の整備や農業機械のリース導入に助成します。
次世代へつなぐ梨産地育成事業・・910万円
本県が全国1位を誇る梨について、将来にわたり優位性を維持できるよう担い手の確保や生産規模の拡大を図るため、AIやICTの活用について検討を行うほか、産地における園地確保、人材育成等に係る支援体制強化のため指導者の派遣・調整を行う窓口を開設します。
飼料用米等拡大支援事業・・4億9,000万円
米需給の均衡を図るため人口減少等による消費の減少が見込まれる主食米から飼料用米等の新規需要米や麦・大豆・野菜等への転換を推進し、稲作農家の経営安定及び自給率・自給力の向上を図り、今後更なる需要増が見込まれる輸出用米について新たに生産コストの低減等に必要な機械導入を支援します。
道路ネットワーク事業・・725億3,300万円
県民生活の利便性向上を図り道路交通の安全を確保するとともに、県内経済の活性化や観光振興に寄与するため、多様な交流・連携を支える道路ネットワークの整備を推進します。北千葉道路については、早期全線開通に向けて橋梁・道路改良工事に取り組むほか、千葉北西連絡道路についても具体的な検討作業を進めます。
地域における在宅医療等推進体制強化事業「新規」・・1億7,000万円
地域の在宅医療・介護の推進のため、関係機関による協議会を開催するとともに、保健医療計画において在宅医療に必要な連携を担う拠点に位置付けられる市町村に対し、在宅医療と介護の連携強化等に要する経費の補助を行います。
新興感染症対応体制確保・強化事業・・8億4,000万円
改正感染症法に基づき、新興感染症の発生・蔓延等に対応する体制を整備するため、関係機関との連携体制を構築するとともに、感染症対応のために医療機関が行う設備整備への助成や、医療従事者に対する研修等を行ないます。