准四国八十八箇所 東葛印旛大師

浜田ほづみ

浜田ほづみも毎回巡拝しております

准四国八十八箇所

東葛印旛大師

 全国には弘法大師を祀る四国八十八箇所霊場の写しが多数設置されています。千葉県内でも享保6年(1721年)印西八十八箇所の設置を草分けとして、40箇所にのぼる霊場が設置されました。東葛印旛地域にも、その一つである『准四国八十八箇所東葛印旛大師霊場』が設置されております。

 札所は、柏市に69(旧沼南町53・旧柏市16)・白井市に10・鎌ケ谷市に5・松戸市に4箇所で、各々の札所には四国八十八箇所霊場写しの証である標石が建立されており、そこには新四国八十八箇所霊場、及び写しの寺院名と共に文化5年(1808年)と刻まれております。

 この東葛印旛大師、設置された当初は賑わったものの、やがて幕府の禁令により一度は衰微してしまいました。それを慶応2年(1822年)に再興したのは、柏村・長全寺住職の瑞宝と高柳村の佐左衛門、及び富塚村の久四郎であります。厨子に納められた弘法大師像が作成され、それを講員が背負い、札所毎に引き継いで巡拝するという形になり「送り大師」とも云われるようになりましたが、時代と共に様々な改革が加えられ現在に至っております。

 毎年、その年の当番地区を5月1日に出発し、八十八箇所を巡拝して5月5日に当番地区へ戻り満願を迎え、結願と称する行事が盛大に行われます。巡拝の行列は、結願区旗、曼荼羅旗を先頭に、結願区先達(結願区寺の住職)弘法大師厨子、公認先達、講役員、講員等の順で、「かけ声」と呼ばれる四国先達の先導のもと、法螺貝を吹き鳴らしながら"南無大師遍照金剛"を軽快な節回しで唱和して巡拝します。各札所では、開経偈、般若心経、光明真言、大師宝号、回向文を唱和してお米や賽銭を供えます。

一日の行程が終了するところには泊まり当番地区が設けられております。以前は、講員の大きな家を宿として用意してあり、そこに大師厨子と先達、公認先達、結願区の役員が到着すると、宿入りの功徳の御詠歌を唱和して宿入りとなりました。宿では、大師厨子を中心にして宿の家族や泊まり地区講役員の接待で宴会が夜半迄続き、翌朝、握り飯の弁当を頂いて、宿おきの御礼の御詠歌を唱和して出立していました。現在では、大師厨子のみを泊まり地区にお預けして先達御一行の宿泊はしないように改正されております。

 5日間の札所巡拝の全行程が終了して満願となると結願寺院に戻り、結願が執り行われますが、その中で一番の華は「練り供養」又は「練り込み」と称するものです。これは結願地区内に出発場所を設け、大師厨子を中心として露払いを先頭に獅子舞、法螺師、稚児行列、ご詠歌連中、四国先達、東葛印旛大師組合役員、一般講員等が隊列を組み結願区寺院へと向かいます。結願寺院では、大師厨子が本堂前面に安置され、境内中央には大きな角塔婆が建立されており、その開眼供養、お授け等の結願法要が行われます。

 境内には、各地区毎に桟敷が設けられ、結願区の講員が総出で接待をします。桟敷では唄や踊りで賑やかな宴となっているころ、本堂では次年度結願区へ本部役員立ち会いのもと大師厨子をはじめとする組合什物の引き継ぎが行われます。

 東葛印旛大師は、文化5年から数えると200余年の歴史を刻む貴重な民族行事であると同時に、我が郷土の偉大な文化遺産でもあります。

 柏市大井の福満寺境内には、ミニ八十八箇所が安置されております。東葛印旛大師巡拝の折には、このミニ八十八箇所も参拝します。


































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